大阪府、飲食店見回り 営業配慮と対策求める難しさ

飲食店の見回り調査を実施する大阪府職員=29日午後5時55分、大阪市福島区の居酒屋「鶏海山の幸おかだ」(代表撮影)
飲食店の見回り調査を実施する大阪府職員=29日午後5時55分、大阪市福島区の居酒屋「鶏海山の幸おかだ」(代表撮影)

大阪府が新型コロナウイルス対策で飲食店への見回り調査を加速させている。対象となるのは、蔓延(まんえん)防止等重点措置が適用されている府内全33市の約5万8千店。28日までの1週間ですでに約3万店を訪れ、重点措置期限の7月11日までに全店舗に足を運ぶ計画だ。担当者は「期間中に終えられるペース」とするが、同行を通じ、夕方から夜にかけて行う調査の〝限界〟も見えた。

今月29日午後5時20分ごろ、夕立が上がった大阪市福島区で、府の男性職員2人が鉄板料理店を訪れた。開店直後でまだ利用客がいない中、職員は感染対策のチェックシートを取り出し「マスク会食はしてもらっていますか」「お酒は提供していますか」などと男性店主に尋ねていった。

男性店主が利用客への対応として、感染対策のイラスト入りボードを見せて協力を求めていると説明すると、職員から「すごい」と感嘆の声が上がった。

一方、午後6時ごろに足を運んだ和食居酒屋では、入り口で男性オーナーと職員が話し合い、利用客に配慮して店内に入るのを控えた。

職員はチェックシートに基づき、飛沫(ひまつ)防止のためのアクリル板や、換気の目安となる二酸化炭素濃度測定器を設置しているかを確認していたが、測定器は店外から見えず口頭での確認にとどまった。

この日の訪問先は3店で各店の調査時間は約20分。職員によると、1日当たり10~15店の調査を目指しているが、この職員は8店が最多という。「店主や従業員の手を止めさせないようにしないといけない。お客さんが見回りを気にするようなら、別の日に出直すケースもある」。営業に配慮しながら対策の徹底を促すのは簡単ではないと実感した。

C大阪府の見回り調査のポイント
C大阪府の見回り調査のポイント

「急造」800人体制

大阪府の見回り調査体制は400班計800人で、一般職員全体の約1割に上る。18日の対策本部会議での調査決定を受け、危機管理室や健康医療部など新型コロナウイルス関連の業務にあたる部署以外から集めた「急造部隊」で、どこまで調査を徹底できるかが鍵になりそうだ。

府は蔓延(まんえん)防止等重点措置の期間中、一定条件を満たす飲食店に対し、府内全33市で午後7時まで酒類の提供を容認。同8時までの営業時間短縮を要請している。

調査は、酒類を提供しているか▽時短要請に応じているか▽同一グループは2人以下か-など最大17項目にわたる。府が感染対策を取っている店を認証する「ゴールドステッカー」を申請していない場合は取得を勧める。

調査時間は土日を含む午後5~8時。飲食店には書き入れ時であり、協力を得られるか懸念は残る。府は職員向けの研修を行い、確認作業もマニュアル化して調査の迅速化を図る方針。

吉村洋文知事は記者団に「何もやらないより圧倒的に感染対策の徹底につながると思う。飲食店と一緒に感染に強い場をつくる。一店ずつ伝えることで理解を広めたい」と述べた。(尾崎豪一)