従業員の悩み、弁護士がケア 宇都宮で「EAP」スタート

県C従業員支援プログラムの仕組みカラー
県C従業員支援プログラムの仕組みカラー

弁護士法人宇都宮東法律事務所(宇都宮市)は、従業員が抱える健康やメンタル面、借金や親の介護、交通事故など、業務外の私的な悩みを支援するサービス「EAP(従業員支援プログラム)」をスタートした。

多くの企業の従業員は、新型コロナウイルス感染防止のために対面による機会が減るなどしてストレスがたまりやすい環境にあり、孤独感からメンタル面に不調をきたしやすい状況にある。同事務所は「従業員の福利厚生の一環として利用していただければ」と話している。

具体的には、同事務所と契約した企業の従業員に関する、夫婦関係や子供の学校における事故・いじめ、親の介護・相続、交通事故まで幅広く相談に応じる。相談方法はメール、または電話、面談で受け付ける。料金は1回あたり60分まで、同一事案につき2回までは無料。企業側には、ジャンル別の相談件数について個人情報を含めない形で報告する。

同事務所の伊藤一星弁護士は「この制度を導入することで、『従業員に安心して働ける環境を提供したい』という企業の強い意思を明確に示せる」と説明する。

EAPはすでに米国を中心に諸外国で普及しており、日本でも大企業を中心に導入されているが、日本ではカウンセラーへの相談が中心で、弁護士に気軽に相談できる体制を整えている企業は多くない。今年5月には、一般社団法人弁護士EAP協会が全国50人以上の弁護士の賛同によって設立され、普及が進むとみられる。

一方で、国内に4万2千人以上の弁護士がいる中、栃木県にはわずか約230人しかおらず、県民にとって弁護士に相談することのハードルが高いという声も聞かれる。伊藤弁護士は「弁護士として、従業員を大切にしてよりよい会社作りを目指している経営者さんを積極的に支援していきたい」と話している。(鈴木正行)