【酒の蔵探訪】苗場酒造(新潟県津南町) 世界で通用する日本酒造り(1/2ページ) - 産経ニュース

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酒の蔵探訪

苗場酒造(新潟県津南町) 世界で通用する日本酒造り

苗場酒造の新保光栄社長=新潟県津南町(本田賢一撮影)
苗場酒造の新保光栄社長=新潟県津南町(本田賢一撮影)

名水の郷として知られる新潟県津南町の苗場酒造は昔ながらの手作業中心の酒造りを行い、高品質の日本酒を造り続けている。昔ながらの手法を継承する一方、日本酒になじみがない人も楽しめるような酒造りに力を入れ、高い評価を得ている。

令和元年に発売した「醸(かも)す森」は、そんな銘柄の一つ。凝縮された米の甘さ、うまみが酸味と絶妙にバランスし、香りが華やかでフルーティーなのが特徴だ。「ミシュランガイド新潟2020特別版」で一つ星を獲得した同県十日町市の温泉旅館「酒の宿 玉城屋」のオーナーで、世界的な唎酒師(ききざけし)でもある山岸裕一氏の監修のもと、苗場酒造の醸造技術で商品化した。

造り方は一般的な日本酒とやや異なる。日本酒の元になる醪(もろみ)を造るのに、蒸米、麹、水を3回に分けて投入(三段仕込み)するのが一般的だが、醸す森は1回の投入(一段仕込み)で醪を造る。三段仕込みなら2回目、3回目の作業で味を調整できるが、一段仕込みは1回で味が決まるため繊細な作業が求められる。

苗場酒造の新保光栄社長(58)は「この一段仕込みが、醸す森のすっきりした飲み口とフルーティーな香りを生み出す」と説明する。

醸す森の昨年9月~今年5月までの販売量は、コロナ禍にあって前年同期の5割以上伸びている。女性やワイン好きに飲まれているほか、外国人にも好評という。

同酒造ではこのほか、新たな取り組みとして、梅酒などを漬けるための日本酒も一昨年から販売している。果実酒用酒といえば、焼酎のホワイトリカーが知られているが、「日本酒で漬けると風味がまろやかで、すっきりした後口になる」(新保氏)という。