「請願寺門前図屏風」修復終え展示 京都文化博物館

「誓願寺門前図屏風」(京都文化博物館蔵)
「誓願寺門前図屏風」(京都文化博物館蔵)

国宝「洛中洛外図屏風(舟木本)」で知られる絵師、岩佐又兵衛が約400年前の京都の町や人の様子を描いた屏風絵「誓願寺門前図屏風」。3年間の全面的な修復を終えて制作当時の姿がよみがえったことを記念し、京都文化博物館(京都市中京区)で開催中の特別展「花ひらく町衆文化-近世京都のすがた」で公開されている。7月25日まで。

屏風絵は縦約152センチ、横約167センチの二曲一隻。浄土宗の誓願寺を中心に、17世紀の桃山時代の三条大橋周辺の街並みや人々の暮らしを描写している。子供を抱く親や扇を売る商人、鋭いまなざしでけんかをする男ら、さまざまな身分の人が混ざり合い、笑顔や驚きなど喜怒哀楽のある、当時のありのままの京都を表現しているのが特徴だ。

制作後約400年が経過し、劣化が進んで黒ずみが目立っていたため、平成30年から修復が行われた。解体して汚れを取り除き、動物の骨や皮から作る接着剤「膠(にかわ)」を塗り顔料の剥がれを抑えたり、欠損部分に和紙を貼ったりした。

修復に伴う調査で、左右の同じ高さの場所に円形状の欠損があったことから襖に仕立てられていたことが分かった。また、これまでは、又兵衛の工房の作品との可能性も持たれてきたが、今回の修復で絵の細部まで分析することができ、描き方の特徴から又兵衛作だと確認された。

学芸員の有賀茜さん(30)は「本来の京都はにぎわいのある町。新型コロナウイルスの影響を受けているが、絵の中で活気のある京都を楽しんでほしい」と話した。

特別展では、当時の町人が使っていた陶磁器なども展示されている。午前10時~午後6時(金曜日は午後7時半まで、月曜休館)。高校生以上1千円。問い合わせは同館(075・222・0888)。(鈴木文也)