宣言解除1週間 増える人出、感染再拡大の兆し

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言が東京や大阪など9都道府県で解除され、飲食店での酒類提供が再開されてから28日で1週間がたった。東京や関西圏の繁華街では、解除前から増え始めていた人出がさらに増加。インドに由来する感染力の強い「デルタ株」の確認例も増え続けており、感染再拡大(リバウンド)の傾向が収まる気配はみられない。

システム会社「アグープ」が公表したスマートフォンの位置情報を基にした人出データを分析。宣言期間中だった今月7~13日の午後5~11時台の人出の合計を「100」として、解除直前の14~20日と解除直後の21~27日の同時間帯の人出を比較した。

東京・渋谷のセンター街付近では、14~20日は105・4と解除前から人出が増え始め、解除後の21~27日には120・3とさらに増加。新宿駅周辺も14~20は100・8、21~27日は110・6と週を重ねるごとに人の往来が激しくなっていることが確認できる。

関西圏も同様の傾向で、京都の河原町・先斗町周辺では解除前に103・5と微増だったのが、解除後に137・3と大幅に増加。大阪・キタでも解除前に103・1、解除後は129・7と人出が一段と増えていることが分かった。

東京の新規感染者数は5月上旬に第4波のピークを迎えた後、減少傾向が続いていたが、今月中旬ごろには下げ止まり状態に。20日からは9日連続で前週の同曜日を上回っており、解除前からの人出増加が影響しているとみられる。

感染者に占めるデルタ株の割合の増加も、さらなる不安要素として指摘される。東京都によると、5月31日~6月6日の陽性例は15件だったが、7~13日は32件と2倍超、14~20日は124件と8倍超にまで急増。25日には1日当たりで最多の68件が確認された。

都の担当者は「デルタ株の影響に加え、酒類の提供が可能になったことで、これから感染者がさらに増えることが懸念される」と不安を口にした。

西村康稔経済再生担当相は28日、全国知事会との意見交換で、東京の感染状況を「下げ止まり、増加傾向になってきている」と指摘。デルタ株に関し「各地で人の流れが増える中、(感染者数が)少し増加する可能性もある」と警戒感を示した。

会員限定記事会員サービス詳細