コロナ療養中の一票、投函は? 初導入「郵便投票」

都選管から送られる投票用紙や投票用封筒(下)。感染防止対策として、透明のケース(上)に封筒ごと入れてやり取りする必要がある
都選管から送られる投票用紙や投票用封筒(下)。感染防止対策として、透明のケース(上)に封筒ごと入れてやり取りする必要がある

新型コロナウイルスに感染し自宅や宿泊施設で療養中の有権者らを対象にした郵便投票が、7月4日投開票の都議選で初めて導入された。郵便投票を認める特例法が6月23日に施行され、全国で初適用となったためだ。都選管の担当者は「療養中の人でも一票を行使できると周知に努めたい」と語るが、実際の運用にあたってはさまざまな課題も想定される。

新型コロナに感染した人は、感染症法に基づき外出自粛が求められる。投票所に行けないため、今回の特例法で郵便投票を認めることになった。外出自粛期間が、告示日翌日の6月26日から7月4日の間にかかる人が対象となる。

医療機関に入院中であれば従来の不在者投票が利用できるため、自宅か宿泊施設で療養中の場合に限られる。また、海外から帰国したばかりで自主隔離中といったケースも想定されるという。都選管によると、対象者は2千人弱に上ると見込まれる。

郵便投票を希望する人は、まず市区町村の選管に請求書を郵送する。請求書は都選管のホームページからダウンロードして印刷し、保健所などから交付された外出自粛要請の書面なども同封する必要がある。自粛要請の書面を受け取っていない人も多いため、書面の提出がない場合は各選管が保健所に療養の事実を確認するという。

その後、選管側から投票用紙と投票用封筒などが原則として日本郵便の「レターパック」で届く。投票用紙に記入の上、再び郵便で返送すれば投票は完了だ。一部の町村を除き、7月4日午後8時までに届いたものが有効票となる。

ただ、実際に郵便投票を運用するうえで、クリアすべき課題は残っている。

郵便配達員らの感染防止対策として、都選管は郵送の際には封筒そのものをファスナー付きの透明ケースなどに入れ、表面を消毒して投函(とうかん)するよう求めている。療養中だとケースが手元にない場合も想定されるため、全員が要請に応じるとは限らない。

請求書や投票用紙を郵送する際、誰に「託す」かも問題だ。外出自粛が求められる以上、ポストへの投函などは誰かに依頼する必要がある。都が用意した宿泊施設で療養中の場合はスタッフが取りまとめて投函するが、自宅療養では同居の家族や知人らに依頼しなければならない。

1人暮らしで周囲に知人がいない有権者の場合、郵便投票の請求すらできないということになる。都選管の担当者は「制度の仕組み上、どうしても投函は第三者に仲介してもらう必要がある。事前に誰かに依頼しておくなど、何とか手段を確保して大事な一票を行使してほしい」と語った。(大森貴弘)

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