ハンコック保健相が引責辞任 社会的距離の確保怠り、部下女性とキス

キスをするハンコック英保健相と側近女性の写真を載せた紙面を読む人=25日、ロンドン(英PA通信=共同)
キスをするハンコック英保健相と側近女性の写真を載せた紙面を読む人=25日、ロンドン(英PA通信=共同)

【ロンドン=板東和正】英国で新型コロナウイルスの対策を担うハンコック保健相が26日、側近の既婚女性と抱き合っている写真が報じられ、感染予防のために他人との距離を確保することを求めた政府の指針に違反したとして、引責辞任した。英政府は後任にジャビド前財務相を充てた。英国で感染力の強いインド変異株の感染が拡大する中、ハンコック氏の行動に非難が集中していた。

ハンコック氏はジョンソン首相宛てに辞表を提出。辞表では「指針を破ったことをおわびする」と謝罪。自身の私生活により感染対策が阻害されることは避けたいと訴えた。

ハンコック氏は26日、自身のツイッターで公開した動画で「(指針を策定した)われわれ自身が規則に忠実でなければならない」と述べ、辞任して責任を取る考えを示した。

英BBC放送によると、辞表を受け取ったジョンソン氏は「残念に思う」とした上で、「自らの功績に誇りを持って退任すべきだ」と伝えたという。

英大衆紙サン(電子版)などは25日、ハンコック氏が側近の女性と保健省の庁舎内で抱き合っている様子が写った防犯カメラの画像を報じた。画像はインド株が英国で広がり始めた5月6日に記録されたという。

2人はともに子供を持つ既婚者。女性はハンコック氏の任命で保健省の有給職に就いていた。

報道を受け、ハンコック氏は25日、指針の違反を謝罪した上で職務を継続する意向を示した。ジョンソン氏も当初続投を容認したが、与野党から辞任を求める声が上がっていた。

英国では昨年12月、日米欧に先駆けてワクチン接種が始まり、新型コロナの感染者数が大幅に減少。しかし、6月に入り、新規感染者の約9割がインド株感染となり、減少傾向にあった新規感染数は増加に転じた。今月1日に約3300人だった新規感染者数は、25日に約1万5000人となった。

インド株への対応が喫緊の課題となる中、指針を破ったハンコック氏を更迭しなかったジョンソン氏への批判も高まっている。