不屈の88歳、三浦雄一郎さん 富士山5合目で聖火運ぶ

リハビリに励む三浦雄一郎さん=令和2年8月(家族撮影、ミウラ・ドルフィンズ提供)
リハビリに励む三浦雄一郎さん=令和2年8月(家族撮影、ミウラ・ドルフィンズ提供)

最先端のロボットスーツを使ったリハビリを取り入れるなど、最善の方法を常に模索した。ほぼ毎日休まずリハビリに励み、立ち上がれるようになったのは半年後。「高齢でもあり、主治医には『リハビリの効果が出るかは何とも言えない』と言われた」と恵美里さんは明かす。しかし、三浦さん自身は「もう一度、自分の足で歩く」と信じて疑わなかった。

8カ月たってようやく、短い距離を自力歩行できるようになり、今年2月末に退院。自宅に戻ると、ジムにも通ってリハビリを重ねた。聖火リレーで手にするのと同じ長さ71センチ、重さ1・2キロの練習用トーチを作り、豪太さんとリレーの練習も。驚異的な回復ぶりに執刀医は「奇跡という言葉は使いたくないが、奇跡的だ」と漏らしたという。

「夢とは幻ではなく、可能性のこと」という三浦さんは、「僕は今、病気で人生の幅が小さくなってしまっているが、諦めてしまえばおしまいだ。希望と夢、目標を持つことで、可能性は広がる」と力を込める。「コロナで1年延び、まだ不安定な要素があるけれど、五輪は選手たちが人生を懸けて臨むもの。そんな素晴らしい機会の一端に関わることができて、本当に幸せだ」と目を細めた。

日本スキー界の草分けだった父、敬三さんは88歳でアルプス・オートルート完全縦走を果たし、101歳で亡くなるまでスキーを楽しんでいた。三浦さんは「今年の冬はスキーをしたい。それからまた、次を考えます」と新たな目標を見据え、目を輝かせた。

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