接種ミス139件 厚労省注意喚起、間隔誤りも

厚生労働省(厚労省)が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関(佐藤徳昭撮影)
厚生労働省(厚労省)が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関(佐藤徳昭撮影)

新型コロナウイルスワクチンの接種が加速するなか、接種をめぐるミスも増えてきている。厚生労働省によると、16日までの約2300万回の接種で139件のミスが発生。血液感染を起こしかねない重大なミスもあった。接種した人の生命や健康を脅かす事態を避けなければいけないのはもちろん、接種対象が高齢者から64歳以下に移行する中、ミスは接種に消極的とされる若者の接種率低下の要因となりかねない。厚労省は各自治体に再発防止を徹底するよう注意喚起している。

厚労省は自治体向けの手引で、接種で生じたミスの報告を求めており、16日までの報告をまとめた。同日までの接種回数は2332万9470回で、ミスとして報告があったのは139件。10万回あたり約0・6件発生した計算だ。

そのうち、重大な健康被害につながる可能性のあるミスは70件。残り69件は健康被害につながる可能性が低いと考えられるものだった。全体のうち最も多いのは「接種間隔の誤り」で31件。次いで「血液感染を起こしうる間違い」が23件▽「不必要な接種」と「接種量の間違い」がそれぞれ13件▽「不適切な保管ワクチン接種」が9件-と続いた。

血液感染を起こしうる具体的な事例としては、使用後の注射器を別の人に刺した事例があった。使用済み注射器に蓋をして未使用の注射器のトレーに置いてしまったことなどが原因だったという。再発を防ぐため、厚労省は使用済みの注射器に再び蓋をしないことや、接種後は速やかに確実に廃棄することを求めている。

この他にも、米製薬大手ファイザー製ワクチンで使用済みの瓶だと認識せずに希釈・充塡(じゅうてん)を行い、結果として生理食塩水のみを接種した例もあった。希釈前と希釈後の瓶は見た目では区別ができず、希釈・充塡を行う作業が他の作業で中断したことでミスが発生したという。

菅義偉(すが・よしひで)首相が掲げた「1日100万回」接種の体制が整い、職場や大学での接種も始まったことで、接種のスピードが加速する一方、ミスの増加も懸念される。万一、重大なミスが発生した場合は、接種のペースに悪影響を及ぼしかねない。厚労省はミスについての報告をまとめ、自治体に対して手順の見直しとミスの再発防止の徹底を呼びかけている。