記者発

ツイッターで知る読者の「顔」 大阪文化部・渡部圭介

携帯電話に表示されたツイッターのアイコン(AP)
携帯電話に表示されたツイッターのアイコン(AP)

スマートフォンやタブレットで記事に触れる読者は多い。産経新聞にも産経ニュースというウェブサイトがある。サイトに載せた記事が、どれくらいの人に読まれたかを示す「ページビュー(PV)」の数値を見ていると、多くの人に読まれていることを実感する。ただ、記者が努力しても、あまり読まれることがない記事も存在する。

4月から実名でツイッターを始めた。産経記者として、自分がどういう人間なのか「顔」を見せながら、記事に宿る作り手の思いを読者に伝え、一つでも心に留まる記事を増やしてみたいと思った。実際に始めてみると、想像以上の気づきがある。

5月に亡くなった歌舞伎俳優、片岡秀太郎さんの追悼記事では、サイトの記事アドレスに加え、執筆した大阪文化部の亀岡典子記者が上方の伝統芸能を愛し、追い続けている記者であることを紹介し、ツイート(投稿)。予想していた以上の反応があった。

「いいね」を付けるなど、反応してくれた人のプロフィル欄を見ると、趣味に歌舞伎鑑賞を挙げているファンが多い。記事を届けた先に、PVの数値ではおぼろげな、読者の「顔」を見た感じだ。

FMへの転換方針を全国44の民放AMラジオ局が発表した15日には、ツイッターで意見を求められた。誰でも見られる、公開の場での投げかけ。昨年9月のAMラジオ局の現状を見つめた私の署名記事をどこかで読んでの投げかけだろうと、察しがついた。

ただ、私は直接取材をしていない。無責任なことを言っては現場を取材した記者に申し訳なく、簡単な視点の提示にとどめた。にもかかわらず、「渡部さんは信頼できる」と返された。面映(おもは)ゆかったが、ツイッターでも、記者は正確な情報を誠実に発する必要があると改めて感じた。

読者とともに歩む。メディアの一員として当たり前の意識を思い返す。世論を冷静に見つめつつ、ツイッターなどのソーシャルメディアを介してつながる読者と、報道の新境地を目指したい。

他社の記者たちの投稿を追っていると、社の違いを超え、読者とのつながりを意識した記事や取り組みへの意見交換も活発だ。志を共有する記者たちと、読者とともに歩む道を模索していく。

【プロフィル】渡部圭介

平成13年入社。水戸、福島、京都の各総支局を経て大阪社会部で行政や警察を担当。29年から文化部。ツイッターは「@WK_Sankei」。

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