米の投票権めぐる党派争い 司法省がジョージア州を提訴

25日、ワシントンで記者会見するガーランド米司法長官(ロイター=共同)
25日、ワシントンで記者会見するガーランド米司法長官(ロイター=共同)

【ワシントン=大内清】米司法省は25日、南部ジョージア州で3月に成立した選挙制度改革法は黒人の選挙参加を阻害するもので違憲だとして、同法の無効化を求める訴えを同州の連邦地裁に起こした。

米国ではトランプ前大統領が敗れた昨年の大統領選後、共和党が優勢な州を中心に郵便投票を制限するなどの法改正が相次ぎ、これに反発する民主党との争いが激化。投票権をめぐる対立は、来年の中間選挙もにらみ、司法の場に戦線が広がった。

ガーランド司法長官は記者会見で、今回の提訴は「全有権者が投票できるようするための多くのステップの第一歩だ」と述べ、投票権問題への取り組みを加速させる考えを示唆した。

ジョージア州の選挙制度改革は、郵便投票の申請期間を短縮したり、手続きに写真付き身分証明書の提示を義務付けたりするのが柱。主導した共和党は、不正の余地を減らして選挙への信頼を取り戻すためだとしている。

民主党やバイデン政権は、選挙当日に仕事を休みづらい低賃金の黒人労働者らを選挙から締め出すものだと批判してきた。

司法省は訴状で、改革の背景には、同州に根強い「黒人への差別」や「郵便投票を利用する黒人が増加していること」への危機感があると指摘。投票権を保障した米憲法に反していると主張した。

昨年の大統領選では、新型コロナウイルスの感染拡大を背景に郵便投票の導入が拡大。敗れた共和党のトランプ氏は、郵便投票による大規模な不正があったなどとして、「選挙結果が盗まれた」と主張してきた。