【話の肖像画】ジャパネットたかた創業者・高田明(72)(17)偶然の出会いから「通販一本」へ(1/2ページ) - 産経ニュース

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ジャパネットたかた創業者・高田明(72)(17)偶然の出会いから「通販一本」へ

ラジオショッピングを始めたころ
ラジオショッピングを始めたころ

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《地元・長崎以外の放送局でラジオ通販番組に出演できないものか、できれば全国で…。そんな思いを抱いていた平成2年秋、2人の紳士がふらりとお店に立ち寄った》


NBC長崎放送のラジオに定期的に出演させていただいていた当時、うち以外でもすでに日本の各地ではラジオショッピングは行われていました。しかし調べてみると、全国展開をしているところはない。そこで、僕はひらめいたのです。「ラジオで長崎から全国にネットワークを作ろう」、と。まずは九州に広げていくため、僕自身が営業担当として飛び込みで福岡や熊本、沖縄などの放送局を訪ねました。でも県外の佐世保の小さなカメラ店が、いきなり「ラジオの通販番組に出演させてほしい」と頼んだところで、信用もなにもなく、すぐ「どうぞ」とはなりませんよね。何度かお伺いするうちに九州の局は出させてくれるようになりましたが、全国まで広げるには壁が高いなあと感じていました。

そんなころ、NBCの生放送を終えたある日の夕方、1台のタクシーが僕のお店に横付けされ、2人の紳士が入ってきました。名刺交換すると、岡山のRSK山陽放送広島支社長、久米田眞志さんと愛媛のRNB南海放送広島支社長、上田紘一さんとある。なぜここに。不思議がっていると、「さっきの放送を聞きましたよ。メーカーの人でもないのに商品への思いがすごく伝わってきました。面白い人がいるなあ、と思ってお伺いしたんです」。聞けば建設中のハウステンボスの仕事で佐世保に来ていて、駅に向かう帰りのタクシーのラジオで偶然、通販番組の僕の生放送を聞いて立ち寄った、とのことでした。

面識もないお二人が僕の放送を聞いて訪ねてくれたことに感激です。夕食に誘い、盛り上がったところで「じゃあ、もう一軒」と佐世保の繁華街に繰り出しました。2次会の席で僕が描いていたラジオショッピングでの全国展開についての夢を話したところ、お二人は「それは素晴らしい。ぜひお手伝いしましょう」と言ってくれたのです。


《放送業界に精通した2人の仲間たちが、他局の担当者の紹介などをしてくれた。その力を借りながら地道な営業を続けた。暗中模索だった通販番組出演への扉が徐々に開かれていった》


佐世保の小さなカメラ店が、縁もゆかりもない岡山や愛媛、そして北海道などの通販番組に出演するとは、その頃の常識では考えられない。でもやると決めたからにはとにかく動き、動いているうちにやるべきことがみえてくる、というのが、観光写真や宴会のスナップの撮影・販売、フィルムの現像・プリントで学んできたやり方でした。このように全国の放送局で通販番組の放送枠をお願いするという課題を前にして、お二人の仲間たちとの出会いは本当に、本当に大きかったですね。