カナダ、寄宿学校跡で墓標のない751の墓 先住民の遺骨か

【ミネアポリス(米中西部ミネソタ州)=平田雄介】カナダ中西部サスカチワン州のカウエセス先住民居住区は24日、先住民向けの「マリバル寄宿学校」跡地付近から墓標のない墓751基が見つかったと発表した。カナダ放送協会(CBC)などが伝えた。

先住民向け寄宿学校は同化政策の一環としてカナダ政府が出資して各地に設置され、主にカトリック教会が運営に当たった。家族から引き離された15万人超の児童・生徒が暮らし、虐待などで6千人近くが命を落としたとされる。発見された751基は未報告の犠牲者の墓の可能性がある。

マリバル寄宿学校は1899年に開校し、1970年代までカトリック教会が運営していた。5月末に西部ブリティッシュコロンビア州カムループスの寄宿学校跡地で215人の子供の遺骨が見つかった後、マリバル校卒業生らの「埋葬地があった」との証言に基づき6月初旬からレーダーで探査していた。

先住民向け寄宿学校ではキリスト教への改宗が行われ、母語を話すことは許されなかった。カナダ政府は2008年に連邦議会で謝罪。新たな遺骨の発見を受けて探索を強化している。

トルドー首相は「先住民が感じている痛みやトラウマは国が責任を追うべきもので、政府は必要な支援をする」と声明を出した。

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