プロゴルファーの松山英樹選手が米マスターズ・トーナメントで初優勝し、日本人の男子選手として初めて海外メジャーを制覇してから2カ月がたつが、ワシントンを含む在米の日本人や日系人が経営する飲食店界隈(かいわい)では、いまなお松山選手は話題の的だ。
というのも、来年の大会の開催週に歴代の大会覇者だけが出席を許される恒例の夕食会「チャンピオンズディナー」で、前年の優勝者である松山選手がメニューを決めることになっているからだ。
松山選手は優勝直後のオンライン記者会見で、メニューはこれから考えると話していたが、当地の日本料理店の店主の一人は「日本食の素晴らしさを見直し、さらには新たな魅力を紹介してくれるメニューならばうれしい」と、ハードルの高い注文をつける。
過去の優勝者ではタイガー・ウッズ選手がすしをメニューに加えたことがあるが、今やすしは米国で日常食と化しており、新機軸が欲しいところではある。
松山選手のメニュー選択にこれほどの注目が集まるのは、当地の日本料理店もご多分に漏れず、新型コロナウイルス禍を受けた経営難に直面し、明るい話題に飢えていたからだ。松山選手にプレッシャーをかける気はないが、メニュー選びの責任は意外に大きそうだ。(黒瀬悦成)