「香港人の心の声を伝える最後の新聞だ」「いつか戻ってくる」。24日、最後の発行となった香港紙、蘋果日報(アップルデイリー)を買い求めようと市民らが行列をつくった。香港の言論の自由を象徴する存在だった唯一の民主派系新聞。市民らは口々に廃刊を惜しみ、最後の紙面作りを終えた編集者の目には涙が浮かんだ。
23日深夜から新聞スタンドに並んだ30代の女性は「私たちは反共新聞がほしいわけではない。ただ香港人の心の声を伝える新聞がほしいだけだ。それが蘋果日報だった」と悲しそうに語った。
蘋果日報本社では23日夜、記者らが最後の紙面作りを終え、歓声を上げ、抱き合いながら互いにたたえ合った。目に涙を浮かべる社員や香港国家安全維持法(国安法)で逮捕され保釈中の幹部の姿もあった。本社周辺には多くの市民が集まってスマートフォンのライトを照らし、支持する姿勢を見せた。(共同)