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(203)コロナ禍だからこそ禁煙とダイエット

コロナ太りという言葉がすっかり定着しました。在宅勤務が増え、外出も控えることが求められているため、家に籠もる時間は長くなります。必然的に体を動かすことは減りますが、だからといって食べる量も減るかというと、残念ながらそうとは限りません。

会社に行かないことのもう一つの弊害は、喫煙者はいつでもたばこが吸えてしまうことでしょう。1日に吸う本数が増え、同居する家族は煙を吸わされることが多くなってしまいます。

脂質異常で通院する40代後半の女性患者さんは、この1年間で5キロも体重が増えてしまいました。健康診断で増えた体重と中性脂肪の数値を目の当たりにし、一念発起しダイエットすることに決めました。まず、お菓子などの買い置きを控え、置く場所も目につかないところにしました。また、散歩に出るか、そうでなければインターネットで運動の動画を見ながら一緒にやることを始めました。そのかいあって、今のところ3キロの減量に成功しています。

新型コロナウイルスのような感染症の蔓延(まんえん)を抑えるには、活動を控え、人同士が交わらないようにしなければなりません。しかしそのために肥満してしまうのは、新たな問題をもたらします。

英国で昨年春、新型コロナウイルスに感染した患者の転帰と体格の関係について調べた研究結果が最近報告されました。これは英国成人約700万人のデータから、新型コロナウイルス感染症での入院、集中治療室入室、死亡と体格指数(BMI)の関係を調べたものです。結果はBMIが23を超えると、BMIが高くなるほど入院と集中治療室入室は増えていました。死亡についてはBMIが28を超えると、BMIが高くなるほど増えていました。これらの関係は年齢が若いほど顕著でした。つまり、高齢でない限り、肥満は新型コロナウイルス感染症を重症化させる要因だといえます。

新型コロナウイルス感染症を重症化させるものとして他に糖尿病、高血圧、喫煙などが知られています。ワクチン接種は非常に効果的と考えられますが、禁煙や肥満の改善もまた自分でできる重症化予防の手段です。罹患(りかん)率と重症化率を考えると、特に中高年は減量に取り組む価値がありそうです。それに減量は糖尿病や高血圧も改善してくれるでしょう。

(しもじま内科クリニック院長 下島和弥)

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