イタリアから45年以上コラム執筆 坂本鉄男氏引退

「イタリア便り」の坂本鉄男氏(2003年7月撮影)
「イタリア便り」の坂本鉄男氏(2003年7月撮影)

産経新聞国際面で外信コラム「イタリア便り」などを45年以上執筆してきた坂本鉄男氏(91)がこのほど引退することになりました。長年のご愛読、ありがとうございました。

坂本氏は東京外大助教授を経て1971年からイタリアのナポリ東洋大教授を務め、2002年の退官後もローマに在住してきました。イタリア語に関する著作や訳書、編纂(へんさん)にあたった辞書が多数あります。

現地での研究・教育活動の傍ら、1970年代半ばから昨年12月までの長きにわたり、産経新聞の嘱託で毎週のようにイタリアとバチカン市国に関するコラムを執筆しました。

79年に本紙コラム「イタリア通信」(当時の名称)でイタリア文化会館のマルコ・ポーロ賞を受賞。83年には日伊文化交流への功績でイタリア共和国功労勲章コンメンダトーレ章、2000年に日本国勲三等瑞宝章を授与されました。


■坂本鉄男氏の話

日本の家庭の食卓でスパゲティやピザなどイタリア料理が一般的になり、イタリアを訪れる日本人観光客は驚くほど多い。そこで日本人はイタリアをよく知っているような錯覚を抱くが、実際には日本人のイタリアおよびバチカン市国に関する政治・社会・文化的知識は非常に乏しい…。

この間隙を埋めたいと考えたことが、産経新聞の依頼でイタリアに関するコラムや記事を書くようになった理由である。「客員特派員」という肩書を付けられていた時期もあるが、正式の記者や社員だったことは全くない。新聞社と一般稿者という奇妙でまれなる関係のまま40年以上、自分の目で見た現実のイタリアを読者に伝えてきたわけである。

こうした関係上、話題の選択などは私個人の経験と責任で自由に行うことができたことは幸いであったと言わねばならない。産経新聞と読者諸氏に改めてお礼を述べたい。