JR東海の宇野護副社長は23日の定時株主総会で、リニア中央新幹線の東京・品川―名古屋のルートに関し「変更はあり得ない」と強調し、現行のルートでの建設を進める方針を表明した。20日の静岡県知事選で4選を果たした川勝平太氏が変更の必要性を指摘していたが、改めて反論し株主に理解を求めた。
宇野氏は、技術的な条件などを踏まえ今のルートを決めており、すでに地権者からの土地の買収も進んでいると説明。「ルートの見直しは振り出しに戻ることになる」と述べた。
リニアの建設をめぐっては、川勝氏がトンネル掘削による大井川の流量減少懸念を理由に静岡工区の着手を認めておらず、予定している東京・品川―名古屋の令和9年開業は延期が不可避となっている。
川勝氏は再選後に「(地元の理解が得られなければ)JR東海にルート変更や事業中止を申し入れたい」と発言していた。
188人の株主が来場。総会には剰余金の処分に関する議案が提出され、可決された。