「君が代」手話で歌って 全日本ろうあ連盟が試作

スポーツ大会などの式典で、聴覚障害のある人も国歌「君が代」を斉唱できるようにと、全日本ろうあ連盟が手話言語訳を試作し、ホームページなどで公開している。君が代には現在、統一された手話言語訳が存在せず、式典の通訳者によって手話表現が異なるため、当事者は歌いたくても歌えない状況だ。同連盟は今回の試作を踏まえ、公式な「国歌の手話言語版」を制定するよう、国に対し要望。開幕が約1カ月後に迫った東京五輪と、パラリンピックでの活用に期待を寄せる。

「手話が異なれば歌の意味が変わる。聞こえない、聞こえにくい人にとっては、国歌なのに決まった歌詞がない」。倉野直紀・同連盟事務所長は訴える。国民体育大会や全国障害者スポーツ大会などでは、開催地の通訳者の翻訳によって毎回、手話表現が変わる。中には手話ではなく、音を示す指文字で歌詞を一文字ずつ表されることもあり、「どういう歌なのかよく分からない状態だ」という。

歌詞が分からなければ、手話を使って歌うこともできない。聴覚障害者の国際スポーツ大会・デフリンピックの表彰式で、海外の選手団が手話で国歌を斉唱しているのに対し、「日本の選手団は黙っているしかないということもあった」と、倉野所長は話す。

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