新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、世界のオーケストラは活動の休止を余儀なくされたが、ようやく本格的な再開に向かっている。月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」8月号は、「オーケストラと指揮者の現在」を特集、オーケストラや指揮者の動向、魅力を探った。
日本人が一番好きな外国のオーケストラといわれるウィーン・フィル。ウィーン国立歌劇場管弦楽団の団員だけがこのオーケストラに入団できる。創立以来、自主運営を貫いてきた。他のオーケストラのように首席指揮者をおかず、すべての決定権は楽団員だけが持っている。
ウィーン・フィルと双璧をなすベルリン・フィルには、カラヤン・アカデミーという若手音楽家の養成組織がある。月に1、2回、ベルリン・フィルの中で演奏し、アカデミー生だけの演奏会もある。彼らには奨学金と出演料が支払われる。
世界で最も注目されている指揮者の一人がクリスティアン・ティーレマン。特集では「現代のカリスマ」といわれるこの才能にも迫る。