話の肖像画

ジャパネットたかた創業者・高田明(72)(12)支店開設、新規顧客開拓へ


《スリランカに行く前年、父から支店を任された》


それまで年商3000万円くらいだった「カメラのたかた」は、平戸の観光ブームで1億5千万円を超えるまでになっていました。そんなころ、知り合いの衣料品会社社長の誘いがあり、父が県北部の松浦市にある建物の一角に支店を出すことにしたのです。3坪ほどのスペースでしたが、結婚したばかりの妻と平戸からフェリーで上陸して車で30分かけて支店に通い、夜は平戸に戻ってホテルの宴会撮影という毎日になりました。

名所旧跡が多い平戸と異なり、松浦には観光客はあまり来ません。支店の最初の月の売り上げは55万円で1日2万円以下。平戸で毎朝、写真を買ってもらう売り上げに比べると衝撃的な額でした。そこで妻と「月300万円売ろう」と僕としてはめずらしく目標を立てたのです。最初に着目したのは建設会社で、公共事業の進捗(しんちょく)状態を自治体に報告する写真です。平戸と違い松浦の建設会社に知り合いはおらず、飛び込み営業から始めました。「事務所にフィルムを置いてくれればこちらから集配にうかがいますよ。そして翌日に仕上げて配達します」。顧客の新規開拓という、新たな挑戦の始まりです。(聞き手 大野正利)

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