コロナ禍「デジタルデバイド」解消へスマホ貸与

事業開始の背景には、コロナ禍も関係している。非接触が推奨される現在、あらゆる場面でデジタル化が急速に進行。同時に、ネットやパソコンなどの情報通信技術を利用できる人と利用できない人の格差も拡大した。

災害時でも、リアルタイムで避難所の開設情報を把握し、迅速に対応できたのは、SNSをよく利用する若者世代だったことも明らかになっている。同区防災課災害対策推進係によると、令和元年東日本台風の発生時、区内では避難所に避難した人の約5割が20~30代の若者で、65歳以上の高齢者は1割にも満たなかったという。

こうしたことから、同区は「普段からスマホを使いこなせていないと、緊急時にはとても使えない」とし、デジタルデバイドの解消を喫緊の課題と位置づけている。

広がる支援事業

高齢者のデジタルデバイド解消に向けては、菅義偉政権が「誰一人取り残さない、人にやさしいデジタル化」を掲げており、今月8日には、総務省が令和8年にスマホを使いこなせる60歳以上の割合を70%とする数値目標を明らかにした。民間でも、ソフトバンク(港区)が総務省と連携し、行政手続きを中心としたサポートを行うスマホ教室を今月から全国で開始。同様の取り組みは今後広がっていくとみられる。

渋谷区の事業は、65歳以上の区民で、スマホ未保有などの条件を全て満たす人が対象。申し込みは、区の施設やHPで配布している申込書を郵送する。応募者多数の場合は、独り身世帯などを優先する。問い合わせは、同区高齢者福祉課(03・3463・1873)まで。

(浅上あゆみ)

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