「感染のない街へ」有馬温泉でワクチン職場接種開始 - 産経ニュース

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「感染のない街へ」有馬温泉でワクチン職場接種開始

新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける芸妓の一菜さん=21日午後、神戸市(代表撮影)
新型コロナウイルスワクチンの接種を受ける芸妓の一菜さん=21日午後、神戸市(代表撮影)

新型コロナウイルスワクチンの企業や大学での「職域接種」が各地で本格化した21日、「関西の奥座敷」と呼ばれる有馬温泉(神戸市北区)でも、同温泉観光協会加盟の旅館や物産店の従業員ら約2千人を対象にした職域接種がスタート。初日は旅館の仲居やフロント担当など、観光客と接する機会の多い従業員ら約120人が注射を受けた。

有馬グランドホテル(同区有馬町)の宴会場を接種会場に、近くの病院の医師らが問診や注射を担当。ワクチンは米モデルナ製を使用した。8月12日までに全員の2回目の接種を終えたいとしている。

この日、有馬芸妓(げいこ)の一菜(いちな)さんは着物姿で袖をまくり上げて接種を受けた。「舞いを見てもらうにも、距離を取らなければならない。接種が進み、今よりも近くで踊れるようになれば」と笑顔を見せた。

「コロナで観光客が減り有馬が弱っていく中、一刻も早く『感染のない街』を実現するため、団結する必要があった」

同協会の金井啓修(ひろのぶ)会長は職域接種の意義をこう強調した。6月初旬から近くの有馬温泉病院や神戸市北区医師会の支援を受け、かき入れ時のお盆休みまでに従業員の接種を完了できるよう約60人の医療従事者を確保。企業単位ではなく、協会加盟の215施設がまとまって職域接種を申請したことで、スムーズに手続きが進んだという。

接種を待つ宿泊施設の従業員ら=21日、神戸市(南雲都撮影)
接種を待つ宿泊施設の従業員ら=21日、神戸市(南雲都撮影)

同温泉街の老舗「兵衛向陽閣」では、例年梅雨時で人の入りが少ない6月でも約1万人の来客があるが、今月は24日まで休業を余儀なくされ、月末までの予約も250人ほどしか入っていないという。同旅館の風早和喜社長は「従業員には20代の若い人が多いので、少しでも早く打つことで接客時の支障を減らすことができる」と、職域接種のスピード感が観光地にとって重要だったと説明。「早く全員の接種を終え、お客さんに安心して湯につかってほしい」と話していた。