池袋暴走事故公判詳報

(2)遺族の質問に飯塚被告「心苦しいが、過失はないものと思います」

《ここで飯塚被告の代理人弁護士が「質問ではなく意見に当たる」として異議を申し立てる。松永さんはいったん次の質問に移ろうとするが、裁判長が「記憶をただしたい趣旨だと思いますので、聞いていただいて構いません」と異議を却下。松永さんは改めて同じ質問を読み上げる》

飯塚被告「私の記憶では、ますます加速しておったと。油圧ブレーキが作動していなかったと思います。油圧が作動していれば減速します」

松永さん「電子(制御)と油圧(制御)が同時に壊れたということですか」

飯塚被告「それは分かりません」

松永さん「ドラレコを見ると、縁石に衝突してから加速している」

飯塚被告「衝突前に加速したと思います」

松永さん「どこで加速していたとしても、ブレーキを踏んだと100%確信があるんですか」

飯塚被告「はい。スピードが出ていれば(ブレーキを)踏んでいるので」

《松永さんは質問の方向を変え、飯塚被告の「本心」を聞き出そうとする》

松永さん「あなたは無罪を主張していますね」

飯塚被告「心苦しいと思っていますが、記憶では踏み間違いはしていません。過失はないものと思います」

松永さん「本心では、ご自身の主張に無理があると思っていませんか」

飯塚被告「冒頭に申しましたが、暴走を止められなかったことを悔やんでいます」

松永さん「公判が進んでも気持ちは揺るぎませんか」

飯塚被告「はい。同じ思いでおります」

松永さん「あなたが入院中、息子さんに『ブレーキとアクセルを踏み間違えた』と発言しませんでしたか」

飯塚被告「覚えていませんが」

松永さん「息子さんはそう話したと警察の供述調書にありますが」

飯塚被告「息子がそのような印象を最初に持っていたことは覚えています」

松永さん「最初の実況見分で、あなたが『踏み間違いをしたかもしれない』と言っている」

飯塚被告「はい、申しました」

松永さん「時間がたつほど踏み間違えていないという気持ちが強くなっているのでは」

飯塚被告「強くなっているとは思いません」

《飯塚被告は松永さんからの度重なる質問にも、決して自身の過失を認めることはなかった》

(3)「私たち遺族が強い怒りがあるということは伝わっていますか」に続く