びわ湖ホールのオペラ、カルメン「衝撃的作品に」主役清水徹太郎

カルメンのセットプラン(びわ湖ホール提供)
カルメンのセットプラン(びわ湖ホール提供)

初演から約150年たつ今も世界中で愛されているビゼーのオペラ「カルメン」が今夏、滋賀県立びわ湖ホール(大津市)の舞台に登場する。同ホールと協定を結ぶ新国立劇場が制作し、スペイン出身の鬼才、アレックス・オリエが演出を担当。ダイナミックな空間演出など大胆な発想を持つオリエがどのように今作を手掛けるか注目が集まる中、主人公の一人、ドン・ホセ役の清水徹太郎氏(テノール)に見どころなどを聞いた。

 今夏のカルメンについて「衝撃的な作品」と語るドン・ホセ役の清水徹太郎氏 =大津市内
今夏のカルメンについて「衝撃的な作品」と語るドン・ホセ役の清水徹太郎氏 =大津市内

違った楽しみ

びわ湖ホール声楽アンサンブルのソロ登録メンバーで、これまで多くのオペラなどで主要な役を演じてきた清水氏。初めてホセを演じたのは約10年前で、今回で4度目のホセ役となる。

カルメンは魔性の女、カルメンと伍長のホセの恋と破滅を描いたオペラの定番ともいえる人気作。清水氏は今回のオリエ版について「とにかく衝撃的な作品。今までのカルメンのイメージとは全然ちがう。テーマパークに行くような感覚というか…。いつものオペラの舞台とはまた違った楽しみがある」と語り、オリエが仕掛ける壮大かつドラマチックな演出に期待をふくらませている。

スペインのパフォーマンス集団「ラ・フーラ・デルス・バウス」の芸術監督の一人であるオリエは、1992年のバルセロナ五輪の開会式の演出を手掛け、その斬新な表現手法に高い評価を得ている。今回のカルメンでも、ロックコンサートで使われるような鉄パイプ構造のセットを舞台に登場させる方針で、従来のイメージを大きく覆す演出が繰り広げられるという。

 演出を担当する名匠アレックス・オリエ(びわ湖ホール提供)
演出を担当する名匠アレックス・オリエ(びわ湖ホール提供)

女性に焦点

異国の物語ではなく、世界中のどこででも起こり得る女性をめぐるストーリーに仕立てあげた新感覚の作品となっており、オリエ自身も「私たちの主眼はスペインを前面に出すのではなく、女性に焦点を当てたい」と強調。清水氏も「本当に前衛的なオペラ。ぜひ五感で音楽を楽しんでもらいたい」と力を込める。

「ホセは一度決めたらそのまま突っ走ってしまう。情熱的だが、頑固。特別好きな役の一つです」と話す清水氏は、最も好きなシーンに2幕にジプシーたちの力強い合唱の中でホセが〝叫ぶ〟場面をあげる。「抑圧されている自分が殻を破って立ち上がる。劇的な心情の変化が見どころ」という。

カルメンは名曲ぞろいとしても有名で、「恋は野の鳥(ハバネラ)」「闘牛士の歌」「花の歌」などをキャストがどう歌い上げるかにも注目が集まる。清水氏は「(新型コロナウイルスコロナなど)厳しい世の中ではあるが、日本中の皆さんに楽しみにしててもらいたい」と呼び掛けている。

同ホールでの公演は7月31日、8月1日。指揮は沼尻竜典氏が担当する。清水氏は7月31日に出演する。問い合わせはびわ湖ホールチケットセンター(077・523・7136)。(清水更紗)