オンキヨーAV譲渡 気になる御三家パイオニアの行方

老舗オーディオメーカーのオンキヨーホームエンターテイメントが7月、AV機器事業をシャープと米音響機器メーカーの合弁会社に譲渡する見通しとなった。音楽市場がデジタル化したことへの対応に遅れ業績が悪化し、オンキヨーが平成27年に買収したかつての「オーディオ御三家」パイオニアのAV機器事業もまとめて手放さざるを得なかった。ともに高い音質で世界的に評価された国産オーディオブランド。その行方に注目が集まっている。

iPod登場が転機に

オンキヨーは松下電器産業(現パナソニック)出身の故・五代武氏が、「大阪電気音響社」として昭和21年に創業した。音質を追求したオーディオ機器を手掛け、名門ブランドとして海外でも高い評価を受けてきた。

一方のパイオニアは特にスピーカーの評価が高く、かつて山水電気、トリオ(現JVCケンウッド)と合わせて国内の「オーディオ御三家」とされた。この3社は社名から「サン・トリ・パイ」とも呼ばれ、音楽ファンからの熱い支持を得ていた。

転機となったのは米アップルが平成13年に発売した携帯音楽プレーヤー「iPod」の登場だ。インターネット音楽配信サービスが急速に普及し、20年にはスマートフォン「iPhone」も発売され、イヤホンやヘッドホンで音楽を楽しむスタイルが定着した。

両社とも音楽市場のデジタル化の波に対応しきれず、業績が悪化していった。信用調査会社「東京商工リサーチ」の担当者は「音楽の傾聴様式が急速に変化し、アンプやコンポの需要がじり貧となるなか、オンキヨーなど本格オーディオを得意とするメーカーは、時代の移り変わりに対応したヒット製品を出せていなかった」とする。

衰退止められず

パイオニアはかつてレーザーディスクプレーヤーなど業界を先駆けた製品を手掛けてきたが、プラズマテレビ事業が液晶テレビとの競争に敗れ業績が悪化。AV機器事業の売却を決断する。これに手を挙げたのがオンキヨーだった。