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「超速パラヒーロー ガンディーン」奥野壮「ドラマもパラも特撮も」

撮影・松井英幸
撮影・松井英幸

〝平成最後の仮面ライダー〟から、パラアスリートが変身するヒーローに―。NHKがパラスポーツと特撮を合体させて描くドラマで、主人公の森宮大志(だいし)を演じる。8歳のときの自動車事故が原因で車いす生活となったが、パラ陸上に挑戦する明るくポジティブな高校2年生。宇宙人からもたらされたパワーによって、ガンディーンに変身する能力を得る…。

「面白い、やりたい、と思いました」

ドラマの第一印象をこう話す。面白さなどは役を演じ始めてからも深まっていったが、加えて「パラスポーツの大変さや難しさ、やることによって得られる知識を得たのもよかった」と振り返る。

ただやはり、車いすでの苦労は多かった。撮影前、1カ月程度の準備期間では「レースの楽しさはあるけど、1周するのも上半身をすごく使って、めちゃくちゃ大変。バチバチに筋肉痛になったし、(車輪を回転させる動きは)普段はしない動きだったので」。それでも準備期間の半分を過ぎた頃からは「今、うまくコーナーを回れた、とかちょっとしたことで成長を感じられたのも楽しかったし、難しさを知ることができた」と笑う。

俳優という仕事は「新たな経験をさせていただくことが本当に多い」と実感。「自分と全く違う人物を演じることが仕事。そのたびに初めてのことだらけで楽しいし、やりがいを感じる」と話す。

そうした中、特撮作品という意味では「仮面ライダージオウ」(平成30~令和元年)での経験が生きた。「変身」の掛け声がないことに当初戸惑ったが、「ライダーのときは1年を通してどうやったら変身がよりよく見えるようになるかと考えていった。今回は車いすに乗りながらの変身。どうやったら格好良く見えるかを考えた」という。アフレコでもライダー時代の経験が生きたという。

今回の共演者には、「ウルトラマンダイナ」のつるの剛士ら特撮経験者も多い。NHKの「トクサツガガガ」の小芝風花も出ており、「現場は常に明るく、芝居がやりやすかった」と感謝する。

「まだ20歳。今しかできない役をやりたい。習っていたクラシックバレエを生かせる役など、身体を鍛えているからこそできる役も」と今後の自身の役者人生を見据える。「人間ドラマもパラスポーツも特撮も楽しめるドラマ。隅から隅まで注目してほしい」。出来栄えに対する自信がほとばしった。

おくの・そう 平成12年生まれ。大阪府出身。29年の「第30回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」でフォトジェニック賞などを受賞。30年に現所属事務所の「男劇団 青山表参道X」に入り、同年9月放送開始の「仮面ライダージオウ」の常磐ソウゴ役で主演デビュー。以後、「ピーナッツバターサンドウィッチ」(MBSほか)、映画「私がモテてどうすんだ」などに出演している。

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