B-1王者「シロコロ」名称騒動は今 コロナ禍「厚木ホルモン」で活路

「シロコロ」の「コロ」を隠して営業を続ける店舗=6月、神奈川県厚木市(外崎晃彦撮影)
「シロコロ」の「コロ」を隠して営業を続ける店舗=6月、神奈川県厚木市(外崎晃彦撮影)

ご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」を制したことで広く世に知られた神奈川県厚木市の名物で、豚ホルモン焼きの「シロコロ」という名称が商標権をめぐるトラブルによって使えなくなって1年余り。市内経済の一端を担う提供店はコロナ禍とのダブルパンチにあえぎ、飲食店街は活気を失っている。しかし、騒動の後遺症が市内に影を落とす中にも、新しいネーミングを定着させようとする前向きな動きがようやく出てきた。

「名前が使えなくなったといっても、市内にもともとあった名物。味が変わるわけでもなく、引き続きPRに努めていくしかない」

厚木市の小林常良市長(72)が記者会見でこう話し、苦々しい表情を浮かべたのが昨年3月。翌4月以降は、市の名物に「シロコロ」の名称を使うことができなくなった。

店主らは恨み節

背景にあったのは、名称の商標権をめぐるトラブルだ。それまで10年以上にわたり、官民一体でPRしてきたが、活動の中心となっていた民間の個人2氏が、市に対して商標権の買い取りを要求。交渉が決裂すると、名称の使用差し止めを提供店や市に求めたのだ。

以降、提供店は「シロコロ」の名称をメニューや看板から消去するなどの対応を余儀なくされた。市も刊行物や「ふるさと納税」の返礼品から名称を削除するなど対応に追われた。

そうした「シロコロ騒動」から1年余り。以前の提供店はそれぞれ、「シロ」や「シロホルモン」など、まちまちな名称を用いて営業を続けている。ただ、経営者らの表情は芳しくない。

看板商品の〝名前〟を奪われる形となったため、「全国に浸透した名前なのにホームページなどで使えなくなった。検索で探し当ててくれる客が減ったようだ」(提供店店主)などの恨み節が聞こえてくる。

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