エレキギターへの偏見を払拭 〝神様〟寺内タケシさん死去

寺内タケシさん
寺内タケシさん

「寺内タケシとブルージーンズ」のリーダーで、「エレキの神様」として親しまれたギタリストの寺内タケシ(てらうち・たけし、本名・寺内武=てらうち・たけし)さんが18日、肺炎のため死去した。82歳だった。葬儀・告別式は近親者で行う。喪主は長男、章(あきら)氏。後日、お別れ会を開く。

昭和14年、茨城県土浦市生まれ。5歳でギターを始め、関東学院大在学中にプロの道へ。37年に「ブルージーンズ」を結成し、昭和のエレキギターブームを牽引(けんいん)した。

ベートーベンの交響曲第5番をエレキギターで演奏した「レッツ・ゴー『運命』」で日本レコード大賞編曲賞を受賞、「寺内タケシ日本民謡大百科」で同賞企画賞を受賞した。さらに加山雄三さん主演の映画「エレキの若大将」にも出演するなど幅広く活躍。

「エレキギターは不良生徒をつくる」という偏見をなくすため、49年から全国の高校で「ハイスクールコンサート」を始める。その功績に対し平成12年、文部大臣(当時)から感謝状を授与された。16年には文化庁長官表彰。

7年に発生した阪神大震災後には、自動車関連メーカーと協力して音響設備を使った避難誘導車を開発するなど、社会活動にも情熱を傾けた。

著書に「テケテケ伝」などがある。

関係者によると、寺内さんは誤嚥(ごえん)性肺炎で今春入院、その後回復したが、容体が急変したという。

親交のあったギタリストCharさんの話「寺内タケシさん抜きに日本の『エレキギター』を語ることはできません。創成期から今日に至るまで、常にギタリストの神様と言うよりは『キング』として、下の世代を文字通りリードし続けてくれました。民謡からクラシックまで幅広くエレキギターで表現し、その可能性を広げてくれたパイオニアでもあります。微力ながら寺内さんの遺志を継ぎ、私も『エレキギター』を弾き続けたいと思います。合掌」

ギタリストの寺内タケシさん死去 エレキギターブームの立役者

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