選挙権18歳以上に引き下げから5年 投票率低下、教育に注力 - 産経ニュース

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選挙権18歳以上に引き下げから5年 投票率低下、教育に注力

東京都千代田区の国会議事堂(本社チャーターヘリから、川口良介撮影)
東京都千代田区の国会議事堂(本社チャーターヘリから、川口良介撮影)

選挙権年齢を20歳以上から18歳以上へ引き下げた改正公職選挙法の施行から19日で5年を迎えた。改正直後は20代より高かった10代投票率はその後、急激に低下。各自治体は啓発活動にあの手この手を尽くすが、有識者からは「さらなる引き下げで底上げを図るべきだ」との声すら上がる。

総務省の抽出調査によると、選挙権拡大後の平成28年7月の参院選は18~19歳の投票率46・78%が20~24歳の33・21%を上回ったが、29年10月衆院選は40・49%、令和元年7月参院選は32・28%と低下した。

投票率向上のため行政が力を入れるのが小中学校での出前授業や模擬投票などを通じた主権者教育だ。総務省は有識者会議を設置したほか、自治体向けに学習教材の提供を行っている。

平成19年から小学校で出前授業を実施する東京都練馬区は令和元年参院選の18~19歳投票率が43・34%。新型コロナウイルス禍では地元のお笑い芸人を起用したPR動画を配信している。平成29年衆院選で全国最低の31・59%だった徳島県では未就学児童対象の絵本を作成。担当者は「小さいうちに選挙の仕組みに触れてもらいたい」と語る。

特に19歳の投票率は全国的に低い。過去3度の国政選は18歳と比べ約7~15ポイントの大差が付いた。実家を離れて大学進学後、住民票を地元から移さなければ現住所で投票できないのが主な原因だ。有識者会議メンバーの松本正生埼玉大名誉教授(政治意識論)は「選挙年齢の16歳引き下げを検討すべきだ。地元にいるうちに地方選挙の経験を重ねるしかない」と提唱する。

松本氏は「政治にネガティブなイメージを持つ若者が多い。生身の政治家と触れる機会が必要で、主権者教育は政治家がやるものだと心得たほうがいい」と指摘している。(市岡豊大)