「平安の鬼滅」藤原秀郷で地域活性化 「栃木のヒーローにする」

人気漫画『鬼滅の刃』の大ヒットも、数々の鬼退治伝説を持つ秀郷のプロモーションに格好の追い風だ。宮本さんは「『鬼滅の刃』の主人公は秀郷がモデルという歴史学者もいるので、アピールする絶好のチャンス」と意気込む。

それを形にしたのは、今月12日に栃木県総合文化センターで開いた歴史学者で静岡大の小和田哲男名誉教授(77)の講演会だ。小和田氏は数々の大河ドラマの時代考証を手掛けているが、昨年監修した書籍「鬼滅の日本史」で、秀郷を「平安時代の鬼殺隊」に例えており、当日は300人の歴史ファンらが詰めかけた。

藤原秀郷を語る講演会のポスターと本「藤原秀郷」を手にする宮本誠さん(左)ら=宇都宮市(提供写真)
藤原秀郷を語る講演会のポスターと本「藤原秀郷」を手にする宮本誠さん(左)ら=宇都宮市(提供写真)

また、会友で元産経新聞記者の水野拓昌氏(56)が今年3月、「藤原秀郷 小説・平将門を討った最初の武士」を出版した。水野氏は記者時代に「坂東武士の系譜」を連載。本では、歴史研究家として秀郷の生い立ちから青年期などを史実や伝説を元に描いている。

活動を始めてはや5年。宮本さんは「将来的には(秀郷が主役の)NHKの大河ドラマの原作になれば」と青写真を描く。実際、来年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』には、秀郷の子孫らが5人も登場する予定で、未来に期待を膨らませる。

宮本さんは「秀郷を知ることで、地元に誇りを持ってもらい、県の魅力度向上につなげたい」と力を込めて語った。(松沢真美)

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