FIGHT10 いきもの巡り

世界初!サンマの水槽内繁殖に成功 アクアマリンふくしま

館内の水槽で飼育中のサンマ。くねるような動きを見せる(アクアマリンふくしま提供)
館内の水槽で飼育中のサンマ。くねるような動きを見せる(アクアマリンふくしま提供)

アクアマリンふくしまが展示のテーマとしているのは、暖流の黒潮と寒流の親潮が出あう福島県沖の「潮目の海」です。その潮目の海に生きる代表的な魚として、開館当初よりサンマを展示しています。

サンマは北太平洋に広く生息しており、日本近海にも来遊します。サンマの卵には糸が付いており、海面に漂う「流れ藻」に卵を産み付けると糸が絡まり、孵化(ふか)まで流れ藻と一緒に海面を漂います。

産み付けられた卵は、水温18度くらいだと10日ほどで孵化します。通常、太平洋側では、春頃に「黒潮」で孵化したサンマは北上して北の「親潮」流域に入り、北海道の東方沖で夏頃まで豊富なプランクトンを食べて成長します。そして夏の終わり頃になると南下を始め、再び「黒潮」に移動します。

このように、サンマは太平洋側で季節的に南北に広く回遊することが知られています。

しかし、サンマは神経質でうろこが剥がれやすく、皮膚も傷つきやすいため、取り扱いが非常に困難です。パニックになると水槽内で暴れて飛び出したり、壁に激突したりすることもしばしば起こります。

またその際に傷を負ったサンマは、ほとんど回復することなく死んでしまいます。成魚を生きたまま水族館へ持ち帰ることはほとんどできないため、当館では定置網に入ったサンマの稚魚を水ごとすくって採集したり、サンマが卵を産み付ける流れ藻を探したりして卵を入手しました。

流れ藻についたサンマの卵(アクアマリンふくしま提供)
流れ藻についたサンマの卵(アクアマリンふくしま提供)

これらの卵や稚魚を育てることで、平成12年の開館から展示することができるようになりました。

また、水温を調節することでサンマの産卵時期をコントロールするほか、人工の産卵床に産ませることで、世界で初めてサンマの水槽内繁殖に成功。8世代まで継続してサンマを繁殖させることができました。