メキシコ最古の津波は〝幻〟、理科年表の誤記が原因

1537年に「メキシコ津波あり」と誤記した理科年表1959年版(国立国会図書館所蔵)
1537年に「メキシコ津波あり」と誤記した理科年表1959年版(国立国会図書館所蔵)

日本の戦国時代に当たる1537年に起きたとされているメキシコ史上最古の津波は、東京天文台(現国立天文台)が編集した昭和34年版「理科年表」が津波があったと誤記したために生まれた〝幻の津波〟だったことが19日、分かった。気象庁気象研究所(茨城県)の林豊室長が調査結果を米地震学会誌で発表。文献で確認できるメキシコ最古は江戸時代中期の1732年となる。

幻の津波は検証されないまま論文などへの引用が繰り返され、疑わしいと評価されつつも津波の国際データベースに反映。津波の存在を前提にした研究も行われていた。

ミスがあったのは世界の大地震を列挙する年表。1531年にスペインとポルトガルで被害が及んだ地震に「津波あり」と書き加えて修正するはずが、すぐ下にある37年の地震に「メキシコ津波あり」と誤記されたとみられる。