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酒類提供再開も「厳しい」、卸売業者が語る現実

飲食店への休業要請により、酒類の在庫が普段より少ない「名畑」の配送センターで作業する従業員=17日午後、大阪市西淀川区(須谷友郁撮影)
飲食店への休業要請により、酒類の在庫が普段より少ない「名畑」の配送センターで作業する従業員=17日午後、大阪市西淀川区(須谷友郁撮影)

新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)防止等重点措置適用を受け、大阪府や京都府などは18日、飲食店での酒類提供の再開に関する新たな対策を決めた。苦境に直面する飲食関係者は、提供再開に「このまま続くよりはありがたい」とする一方、コロナ禍に伴う客の「店離れ」を警戒する向きもある。

「酒が提供できるようになれば多少の売り上げにはなるかもしれないが、午後7時までというのは厳しい」

大阪市北区の酒類卸売業者「名畑(なばた)」の名畑豊社長(58)は、複雑な心境を語る。

酒類提供再開を喜びつつも「午後7時までは厳しい」と語る名畑豊社長=17日午後、大阪市北区(須谷友郁撮影)
酒類提供再開を喜びつつも「午後7時までは厳しい」と語る名畑豊社長=17日午後、大阪市北区(須谷友郁撮影)

大阪、京都、兵庫など約8千軒の飲食店と取引がある同社。コロナ禍の影響は避けられず、昨年3月中旬ごろから売り上げが減り始めた。今年4月末からの3度目の緊急事態宣言は特に厳しく、飲食店への休業要請などにより、発注が一気に止まった。

同社の配送センター(同市西淀川区)の様子も一変。コロナ禍以前は、ビールや焼酎のケースが所狭しと積み上げられていたが、今の在庫は5分の1程度。名畑社長は「震災や大雨などもあったが(コロナ禍と)比べ物にならない」と肩を落とす。

重点措置への移行に伴い、各地では21日以降の酒類提供が容認されるが、手放しに喜べない。「午後7時までしか酒類を提供できないなら休業を続ける店もあるし、『7時までしか飲めないならやめておこう』となるお客さんも多いはず」(名畑社長)。

酒類提供の再開に伴い、独自の基準を示した自治体もある。大阪府の場合、感染対策に関する府の認証を取得または申請することなどを条件とした。名畑社長も「認証制度を導入したことは1つの進歩」と評価。一方、「どこまで(対策しているか)の証明になるかは不透明。対策として、毎日飲食店を訪れる私たちのような民間業者がチェックに関わる仕組みを作ってもいいのではないか」と提言した。(小川原咲)

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