下水汚泥から固形燃料 福岡市がプラント整備 - 産経ニュース

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下水汚泥から固形燃料 福岡市がプラント整備

下水汚泥を燃料に加工するプラント=福岡市西区
下水汚泥を燃料に加工するプラント=福岡市西区

下水処理時に発生する汚泥を原料に固形燃料をつくる事業が福岡市西部水処理センター(同市西区)で進んでいる。固形燃料は、県内のセメント工場などで燃料として使われている。石炭の代替として再生可能な有機性資源である汚泥を採用することで、CO2削減効果が見込める。菅義偉政権が掲げる2050年のカーボンニュートラル(排出実質ゼロ)に向けた取り組みの1つとして、関係者の期待は高い。

下水処理に伴い大量に発生する下水汚泥は、下水管で容易に処理場に集めることができ、質も安定している。再資源化の取り組みは、これまでも全国で進み、福岡市は焼却炉で燃やして灰をセメント原料などにしていた。今回、同センターでの燃料化プラント新設は、処理方法の多様化を図る狙いがある。

同センターの一角に建設されたプラントには、数多くの機械が所狭しと並ぶ。投入される汚泥は脱水されているため、臭いはそれほど強くない。汚泥は、金属製の羽根が取り付けられた「二軸ミキサ」と呼ばれる装置で粉砕され、400度の熱風で乾燥させる。汚泥粒の直径が5ミリ程度になるまでこの工程を繰り返す。

こうして完成した固形燃料は、乾燥しているため型崩れしにくく、自然発火の可能性も低いことから長期間の保管も容易だという。プラントの生産能力は1日あたり26トン、年間約8600トンになる。九州では最大規模の生産能力になるという。石炭の代替燃料として用いることで、一般家庭約6400世帯分の年間排出量に相当する約1万1千トンのCO2削減効果が見込めるという。

プラントの内部などは、市が整備した「バーチャル見学」システムで見学できる。

市は今回のプラント施設で、民間資金やノウハウを導入する「DBO(デザイン・ビルド・オペレート)方式」を採用した。設計、建設、運営を一括して委託するものだ。設計、施工は日鉄エンジニアリングが担い、運営は同社などで組織する特別目的会社が行う。市直営の場合と比べ、維持管理費は「およそ4分の1程度になる」(市下水道施設部)という。環境にも財政にも優しい新燃料は、カーボンニュートラルにも貢献している。(中村雅和)