兵庫県洲本市のホテルニューアワジで18日指された「第92期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負」(産経新聞社主催)の第2局。渡辺明三冠(37)=名人・棋王・王将=が午後8時3分、投了し、藤井聡太棋聖(18)=王位=が連勝で、初防衛に大きく近づいた。
午前9時、立会人の小林健二・九段(64)の合図で始まった対局は第1局と同様、飛車先の歩を突き合う相掛かり模様となった。渡辺三冠の棒銀に対し、藤井棋聖は角交換から▲5六角と筋違い角を放つ。小林九段は「両者、工夫の戦い方で前例もあまりないのでは」と分析した。
序盤から激しい戦いとなった第1局とは異なり、じりじりとした中盤戦が続き、57手目で藤井棋聖の残り時間は既に50分。渡辺三冠は残り時間2時間弱の利点を生かし、指し進めた。
我慢比べのような攻防戦が続いた。しかし、藤井棋聖が終盤力で優位を築き、持ち時間が逆転。最後は藤井棋聖が「難解な将棋を振り切った」(小林九段)。
連敗で後がなくなった渡辺三冠は「ちょっとずつ損をしていったような…。一つ返すことを目標にしたい」と話した。