【コロナ直言(10)】飲食店規制はナンセンス 一律要請やめよ 山梨県知事・長崎幸太郎氏 - 産経ニュース

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コロナ直言(10)

飲食店規制はナンセンス 一律要請やめよ 山梨県知事・長崎幸太郎氏

《新型コロナウイルス下の飲食をめぐり今年3月、「感染防止対策をしっかり守り、お花見も歓送迎会もしてほしい」との発言が議論を呼んだ。だが、根幹にあったのは、飲食店をめぐる山梨県の独自施策の存在だったという》

コロナ禍では感染への不安から飲食店の客足が途絶え、その後もなかなか戻らなかった。一般客からすると、店の感染対策が十分かどうかの判断は難しい。だから県が保証することで、安心して店を利用してもらおうと考えた。そこで導入したのが「やまなしグリーン・ゾーン認証制度」だ。

《同県は昨年5月、全国に先駆け、感染対策を取っている飲食店などに〝お墨付き〟を与える同制度を創設した。制度では、例えば飲食店には、座席に頭の高さのパーティションを設置▽卓上に消毒液▽共用調味料は置かない-などを求め、補助金を出す。特徴的なのは実効性を持たせるため、実地調査をした上で認証し、その後も抜き打ち検査や改善指導をすることだ》

5千軒以上を実地調査し認証してきた。認証店で起きたクラスター(感染者集団)はこれまでに3件。ほとんど起きていない。店が適切な対策を取り、客もルールを守れば、飲食でも観光でも感染拡大は起きないことを実証できたと考えている。

自治体職員のマンパワーには限界がある。大都市なら多くの飲食店を抱えているだろう。しかし同様の取り組みは可能だ。山梨県では実地調査を旅行代理店に委託することで実現させた。調査に伴う費用は時短営業や休業の要請に伴う協力金よりも低コストだ。地域経済を止めずに感染防止の効果を上げたことで多くの自治体に注目され、全国的に取り組まれるようになったと考えている。

《政府は4月、全国の都道府県に山梨県と同様の認証制度導入を求める通知を発出。類似の制度は滋賀県や大阪府が導入している》

そもそも飲食店に一律に休業要請などを出すことに違和感がある。対策をきちんと取っていれば、飲食をしても感染拡大にはつながらない。要請は感染防止のため。ならば、対策を徹底した店になお要請をかけるのは矛盾している。行政が認証した店については要請を解除すべきだ。

ただ、自治体ごとに基準が異なれば分かりにくい。最低限の基準作りは最新の知見や変異株への対応を反映する必要があり、国がリードしてほしい。

感染対策が取られている飲食店に休業や時短要請を繰り返すのはナンセンスだ。しかも、協力金だけですべての飲食店や関連業種を救済することはできない。経済活動を止めずに感染症に強い社会を構築することを目指すべきだ。(聞き手 石川有紀)

山梨県知事・長崎幸太郎氏
山梨県知事・長崎幸太郎氏

ながさき・こうたろう 東京大学法学部卒。平成3年、大蔵省(現財務省)入省。14年に山梨県総合政策室政策参事。17年、衆院議員に初当選し、通算3期務めた。31年の同県知事選に立候補して初当選。現在1期目。