海遊館ダイアリー

プラゴミ大量排泄 アオウミガメ無言のSOS

以布利センターで保護され、海遊館に移されたアオウミガメ
以布利センターで保護され、海遊館に移されたアオウミガメ

太平洋に面した高知県土佐清水市には、「以布利センター」と呼ばれる海遊館の研究所があります。地元の漁師さんにご協力いただき、主にジンベエザメの回遊状況の聞き取りや水槽での飼育を通して生態研究を行っていますが、現地に来遊するウミガメ類の実態調査や保護、飼育研究も行っています。

昨年11月、定置網に迷い込み、以布利センターで保護したアオウミガメ(直甲長約44センチ)を海遊館に輸送しました。ところが、搬入から20日ほどたっても餌をまったく食べません。そして、ある時、水槽の底にプラスチックごみを発見しました。これはアオウミガメが排泄(はいせつ)したもので、どうやら消化管に詰まっていたようです。

これ以降、1~2日おきに計16日間もプラスチックごみの排泄が続き、その間、一度も餌を食べませんでした。排出されたごみは、レジ袋や食品の包装容器、農業用シートの破片などのようでしたが、その量の多さに驚きました。

ウミガメ類はプラスチックごみを誤って食べてしまうことがよく知られており、特にアオウミガメに多いことが分かっています。海で暮らすアオウミガメは主に海藻を食べ、時にはクラゲなども食べます。海に浮くプラスチックごみは、海藻がちぎれて漂う「流れ藻」や海中をふわふわと漂うクラゲによく似ていることから、誤食してしまうことが多いと考えられています。

さて、保護したアオウミガメのその後ですが、プラスチックごみの排泄がなくなってからレントゲン撮影などの検査を行ったところ、消化管内に異物は確認されず、健康状態も問題がないことがわかりました。今では餌もよく食べ、快眠・快食・快便の毎日を過ごしています。(普及交流担当 北藤真人)

大阪市港区にある水族館「海遊館」に飼育されている生き物にまつわるエピソードなどを飼育員が紹介します。

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