第92期ヒューリック杯棋聖戦

藤井棋聖、最年少防衛記録「18歳11カ月」なるか

最年少防衛記録更新の期限

第1局に続いて連勝し、勢いに乗る藤井聡太棋聖=王位=。今期のヒューリック杯棋聖戦でしか挑戦できない記録がある。屋敷伸之九段(49)が平成3年、第57期棋聖戦で樹立した「19歳と7日」のタイトル防衛の最年少記録更新だ。7月19日に19歳の誕生日を迎える藤井棋聖が、前日の18日に行われる第4局までに3勝を挙げれば、「18歳11カ月」の記録更新となる。いよいよ防衛まであと1勝に迫った。

屋敷九段は平成元年の棋聖戦に「17歳10カ月と24日」で挑戦。奪取はならなかったが、翌2年の棋聖戦で再び挑戦し、「18歳6カ月」でタイトルを獲得した。いずれも昨年、藤井棋聖が更新するまで最年少記録だった。

そして2年末から3年にかけての棋聖戦が屋敷九段にとって初の防衛戦。当時六段で先輩棋士の森下卓(たく)九段(54)を挑戦者に迎え、同1月25日に3勝1敗で防衛した。このとき「19歳と7日」で初防衛の最年少記録となった。

「タイトルは防衛して一人前」と言われるほど、初タイトルの防衛は難しい。第1局は屋敷九段の完敗で、第2局は激戦の末に勝利した。屋敷九段は「ストレート負けの可能性があり、第2局で勝てたことが大きかった」と振り返る。その後連勝して五番勝負を制した。

近年、タイトル戦の立会人を務めることが多い屋敷九段は、厳粛な番勝負の雰囲気に若手が硬くなるのをよく見るという。今回、第5局(7月29日)までもつれこめば、藤井棋聖の記録更新はかなわない。しかし屋敷九段は藤井棋聖について「3度目のタイトル戦で少し慣れただろうか。調整がうまくできている印象」と分析する。

一方の渡辺三冠については「経験が豊富で、タイトル戦が日常。今年に入って王将、棋王、名人と防衛を積み重ねてきており、いい状態ではないか」とみる。

昨年、藤井棋聖が「17歳10カ月と20日」でタイトル挑戦、「17歳11カ月」でタイトルを獲得し最年少記録を更新。今回も記録を塗り替えられる可能性がある屋敷九段は「名誉なことであり、記録に注目していただけるだけでありがたい。藤井棋聖にとっては、タイトルを積み重ねる通過点であり、意識していないでしょう」と話した。(中島高幸)

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