芳根京子「自分の余白が広がった」 25日公開「Arc アーク」

芳根京子=東京都港区(石井健撮影)
芳根京子=東京都港区(石井健撮影)

映画、テレビドラマと出演作の公開、放送が相次ぐ芳根京子(24)。主演映画「Arc アーク」もまもなく封切りだが、この売れっ子をして「この映画は、出演をためらった」と打ち明ける。いったいなぜ? (石井健)

「Arc アーク」は、「蜜蜂と遠雷」などの監督、石川慶(けい)が中国系の米SF作家、ケン・リュウの小説「円弧(アーク)」を映画にしたものだ。

人類が不老不死を手に入れた近未来を舞台に、石川はコンテンポラリーなダンスやモノクロ描写など美意識を貫いた映像で生と死の意味を問う。

芳根は人類で初めて不老不死を手にしたリナという女性を演じるが、出演を打診され真っ先に思ったのは「私にはできない」だったと打ち明ける。

「私は自分の経験を積み重ねて太くした〝ひも〟を引き出してお芝居をしてきました。この映画では130歳以上のリナも演じるということでしたが、私の中にそんな〝ひも〟はありません」

NHKの連続テレビ小説「べっぴんさん」では主人公の一生を見事に演じたが、「あれは〝朝ドラマジック〟。半年かけて少しずつ成長したから見てくださる方もついてこられた」と冷静に分析する。

だが、「最高のスタッフを集めたので、芳根さんを全員で支えます」という石川の言葉に背中を押された。

撮影が始まって、「そうか、分からないことは、分からないと言っていいんだ。皆で作ればいいんだ」と気がついた。

天才肌といわれるが、今回の撮影について腕をぐるぐる回し、ニコニコ笑いながら次のように語る。

「リナを演じたことによって、自分の周りの〝余白〟が広がりました。私、実はちょっと窮屈にしていたんだな。両手を広げて、ピョンピョン飛び跳ねても大丈夫なんだって心に余裕が生まれました」

不老不死のリナは、やがてある島で「不老化を選ばなかった人々」を受け入れる施設を経営。ある日入居した夫婦の〝正体〟が明らかになったとき、89歳のリナは「命」を見つめ直す。夫婦に小林薫と風吹ジュン。他に寺島しのぶ、岡田将生(まさき)、倍賞千恵子らが共演。

25日から東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪ステーションシティシネマなとで全国公開。2時間7分。


よしね・きょうこ 平成9年生まれ、東京都出身。25年、ドラマ「ラスト♡シンデレラ」で女優デビュー。28年のNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」でヒロイン。映画は「累-かさね-」「散り椿」で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞。来年「峠 最後のサムライ」の公開が控える。