香港警察 大手紙の主要幹部5人を逮捕

17日、香港警察に逮捕された蘋果日報の羅偉光編集長(右から2人目)(AP=共同)
17日、香港警察に逮捕された蘋果日報の羅偉光編集長(右から2人目)(AP=共同)

【台北=矢板明夫】香港警察は17日、中国当局に批判的な論調で知られる香港紙、蘋果(ひんか)日報の羅偉光総編集(編集局長)、陳沛敏副社長ら幹部5人を、香港国家安全維持法(国安法)違反の疑いで逮捕した。外国勢力と結託し国家の安全に危害を加えたとしている。さらに同紙と関連会社の資産のうち計1800万香港ドル(約2億6000万円)相当を凍結すると発表した。

蘋果日報(電子版)などによると、警察は同紙本社を昨年8月に続き、家宅捜索。記者らのコンピューター少なくとも46台や取材資料などを押収した。警察当局者は「2019年以降の30本以上の記事について、香港と中国の制裁を外国に呼び掛けた」とし、国安法違反の疑いがあるとの見方を示した。

記事が国安法違反の対象になるのは初めてとみられ、香港記者協会の楊健興主席は「記者に恐怖を与え、自主規制の加速が懸念される。報道の自由に重大な影響を与える」と反発した。

蘋果日報をめぐっては昨年、創業者の黎智英(ジミー・ライ)氏が国安法違反や詐欺などで逮捕、起訴され、現在収監中だ。同紙は17日、「真実を報道するために最後まで戦う」などとする声明を発表した。

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