【主張】線状降水帯の情報 早めの避難で命を守ろう - 産経ニュース

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線状降水帯の情報 早めの避難で命を守ろう

関東甲信地方が梅雨入りしたとみられると、気象庁が14日発表した。西日本や東海地方の梅雨入りは平年より3週間ほども早かったが、関東甲信の入梅は平年より1週間遅かった。

北陸、東北地方や梅雨のない北海道を含め、日本列島は大雨や台風による災害が起きやすい時期に入る。梅雨から夏にかけて、太平洋高気圧に押された梅雨前線が列島沿いに停滞しやすくなり、集中豪雨のリスクが高まる。

特に警戒しなければならないのが、積乱雲が連続発生し、同じ地域に激しい雨を長く降らせる「線状降水帯」である。

西日本豪雨(平成30年)、九州北部豪雨(29年)や昨年の熊本豪雨は、7月上旬に発生した線状降水帯による豪雨災害である。

広島市の土砂災害(26年8月)や関東・東北豪雨(27年9月)のように、夏から秋にも線状降水帯は発生する。

気象庁は17日から、線状降水帯の発生を知らせ警戒を促すために新設した「顕著な大雨に関する気象情報」の運用を開始する。

「顕著な大雨」では危機感が伝わりにくいが、線状降水帯が発生した地域は土砂崩れや洪水のリスクが急激に高まる。極めて切迫度が高い情報であるという認識を共有する必要がある。

避難や安全確保行動を始める目安にはならない。情報が出されたときには、それ以前の気象、防災情報や自治体の避難指示にしたがって避難、安全確保行動を終えておくのが原則である。

線状降水帯が発生すると急激な状況の悪化が想定される。猛烈な雨が峠を越えてから、土砂崩れや河川氾濫が起きることもある。

「早めの避難」に徹したうえで状況の変化に備え、命を守るためにできる限りの行動を実践することが大事だ。

気象庁は、線状降水帯がなくなっても解除情報は出さない。猛烈な雨が収まっても危機感を持ち続け、線状降水帯から外れた地域でも新情報を役立てたい。

たとえば、線状降水帯による猛烈な雨が続いた地域の下流では、河川の急激な増水や氾濫を警戒しなければならない。

気象庁は、半日前の発生予測を目指している。現状では精度の高い予測は困難でも、発生確率が高いと判断できる場合には、事前周知を検討すべきだろう。