NHK集金を妨害 立花孝志党首に賠償命令

立花孝志氏 (大森貴弘撮影)
立花孝志氏 (大森貴弘撮影)

NHKの受信契約業務を妨害する目的で集金人を無断で動画撮影するなどしたのは違法として、NHKが「古い政党から国民を守る党」(提訴時は「NHKから国民を守る党」)と党首の立花孝志氏らを相手取り損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、東京地裁であり、藤沢裕介裁判長は「訪問活動業務に対する妨害行為」と認定、同党と立花氏らに330万円の支払いを命じた。

判決によると、立花氏は令和元年8月、動画投稿サイト「ユーチューブ」に公開した動画で、同党副党首で千葉県柏市議の大橋昌信氏に対し「参院選で公約にしていた集金人のおびき寄せ作戦で、大橋君に隊長になってもらう」などと発言。大橋氏は同9月、埼玉県内の女性宅を訪れた集金人を無断で動画撮影し続け、最寄り駅まで追いかけながら「止まらないならずっと撮影する」などと声をかけた。

判決理由で藤沢裁判長は「NHKが受信契約の説明を求める訪問依頼を拒めないことを利用し、集金人をおびき寄せた」と指摘。動画が公開されて身元が明らかになった集金人の安全が脅かされ、訪問活動業務全般に支障を生じさせたと結論づけた。

立花氏側は一連の行為について「NHKによる犯罪行為の調査や証拠獲得を目的とした活動」などと主張したが、判決では、撮影が行われたのは立花氏側が違法性を指摘する受信契約締結の場面ではないとして退け、「活動主体の政党が公党であることは正当化する要素たりえない」とも言及した。

判決を受け、NHK広報局は「悪質なケースについては、今後も法的措置を含めて対応していく」とするコメントを出した。

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