刑事施設での診療記録は「開示対象」最高裁

最高裁判所=東京都千代田区
最高裁判所=東京都千代田区

東京拘置所に勾留された40代男性が、収容中に受けた歯の診療記録の開示を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(宇賀克也裁判長)は15日、刑事施設で受けた診療記録は「開示請求の対象になる」との初判断を示した。「収容歴が明らかになり、社会復帰を妨げる恐れがある」として開示の対象外とした1、2審判決を破棄し、審理を東京高裁に差し戻した。

判決などによると、男性は平成29年、歯の治療が満足に受けられず、記録を保管しておこうとカルテの開示を請求。国側は、カルテは行政機関個人情報保護法が定める「刑事裁判に関係する情報」に当たるとして、開示を認めなかった。

判決で第3小法廷は、同法には診療関係事項を開示請求の対象から除外するという規定はなく、その趣旨は「インフォームドコンセントの理念などの浸透を背景とする国民の意見、要望などを踏まえ、開示請求の対象とすることにあると理解できる」と指摘した。

原告側の浦城知子弁護士は「刑事施設でも一般社会と同水準の医療が提供されるようになることを望む」と評価。法務省矯正局は「内容を十分精査し適切に対応したい」としている。