萩生田光一文部科学相は15日の閣議後記者会見で、新型コロナウイルスワクチンの大学内接種に関し全国の99校から申請があり、うち8校で21日から開始するめどが立ったと明らかにした。また、21日の週にさらに複数の大学で開始できる見込みがあるという。
文科省によると、21日に接種を開始するめどが立ったのは東北大(仙台市)▽東京国際大(埼玉県)▽慶応大(東京都)▽日本体育大(同)▽湘南工科大(神奈川県)▽近畿大(大阪府)▽広島大(広島県)▽徳島大(徳島市)-。これら8校を含めて14日時点で全国161校から接種開始に関する相談が文科省にあり、うち99校が申請を済ませたという。
文科省は大学の地域貢献を重視し、接種申請の際に近隣大学の学生や小中高校の教職員、近隣住民らも受け入れるよう強く要請している。21日開始の8校では、東北大がすでに自治体の大規模接種に協力しているほか、近隣大学の学生らを受け入れる方向で検討中。また東京国際大や日体大は余剰分のワクチンを地域住民らが接種できるよう調整を続けている。慶応大は全国の留学予定者に対する接種を行う方針。
医学部なくても
新型コロナウイルスワクチン接種に向けて、各大学の準備が着々と進んでいる。医療従事者を大学が自前で確保する必要があるため、医療系学部や付属病院からまかなうほか、産業医を中心とする外部人材を起用する動きがある一方、医療系の学部などがなくても、他大学との連携で接種開始にめどが立った大学もある。21日の8校を皮切りに学内での接種を実施する大学は順次増えていく見込みだが、文部科学省は地域貢献を重視して、他大学や地域住民を対象とした接種にも取り組むよう各大学に求めている。