野村萬斎「今しか見られない」親子3代による「狂言劇場」

狂言劇場を続けてきたことで「人間を俯瞰で見る、劇場空間のあり方に確信が持てるようになってきた」と話す野村萬斎さん
狂言劇場を続けてきたことで「人間を俯瞰で見る、劇場空間のあり方に確信が持てるようになってきた」と話す野村萬斎さん

古典芸能と現代演劇の融合を目指す「狂言劇場 その九」が18日から、東京・三軒茶屋の世田谷パブリックシアターで上演される。同劇場の芸術監督で、総合演出・出演の狂言師、野村萬斎は「万作、萬斎、裕基の〝狂言3代〟が顔をそろえる。今見ないとみられなくなりますよ」と笑う。

今回上演される「法螺侍(ほらざむらい)」は、シェークスピアの喜劇を原作とした新作狂言。30年前に父と演じた作品を、今度は息子と演じる。2人の女をだまそうとする酒飲み助平男の洞田助右門(ほらたすけえもん)を演じるにあたり「しがらみなく欲望に生きる人間から、観客はカタルシスを得る」という狂言的な構造を意識し、「コロナ下の閉塞(へいそく)感のなかで、みんなの代弁者になれれば」と話す。一方で、作中のジェンダー観などを「時代に合わせてアップデートしなくてはいけない」とも考えている。

新作狂言は「社会状況を現象として映し出すべきだ」と話す。同じく上演される「鮎(あゆ)」では、古典的な夢見る若者像と、田舎から都市への人口流出という現代的な都市論を組み合わせた。

常に社会の変化をくみ取ることの重要性を意識している。「古典芸能における〝代替わり〟もアップデートだ」と話す。西洋のオーディション文化とは違う、自分で作り上げた芸を1代限りにしないための知恵。

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