医学部なくてもキャンパス接種 他校連携で打ち手確保

大学キャンパスを会場とする新型コロナウイルスのワクチン接種が、21日から始まる。接種には医療従事者を自前で確保する必要があり、当初は医学部や付属病院などがある大学の申請が目立った。ただ医療系の学部や施設がなくても、日頃から交流のある他大学や地域との連携、医療スタッフの派遣会社との契約などで、「打ち手」の確保にめどをつけた大学も。「安心して学生生活を送れるように」。学生にいち早く本来のキャンパスライフを送ってもらうため、大学側は準備を急いでいる。

「リモート中心の授業が続き、学生には不自由を強いている。ワクチンを打つことで早く対面授業を全面再開させたい」。11日に記者会見した甲南大(神戸市東灘区)の中井伊都子学長は力を込めた。

甲南大は、ともに同区にキャンパスを構える甲南女子大、神戸薬科大と合同で職域接種を計画。甲南大岡本キャンパスの講堂兼体育館で、3大学の学生と教職員計約1万7千人を対象に実施する予定で、7月上旬から学生優先で希望者に接種を始める。

3大学は平成30年に、近くにある総合病院「甲南医療センター」と東灘区役所を加えた5者で、医療人材の育成を図るコンソーシアムをつくるなど交流があった。今回の接種では、看護学科がある甲南女子大と医務室を持つ甲南大が看護師、神戸薬科大は薬剤師をそれぞれ派遣し、役割を分担。甲南医療センターからも医師と看護師の派遣を受け、夏休み中の8月中旬ごろまでに2回の接種完了を目指すという。

関西大(大阪府吹田市)は、希望する学生や教職員約3万5千人に接種を始める。医学部がない関大にとって打ち手確保は課題だったが、大阪医科薬科大(同府高槻市)から医師や看護師の派遣を受けることになり、見通しが立った。

両大は学術交流に関する協定を締結したり、単位互換を実施したりするなど以前から交流がある。関大の担当者は「総合大学で学生数も多いので、長年の協力関係がなかったら実施は難しかったかもしれない」と話す。

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