【主張】G7サミット 中国抑止へ行動の時だ 民主主義陣営の結束示した - 産経ニュース

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G7サミット 中国抑止へ行動の時だ 民主主義陣営の結束示した

英国で開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、自由や民主主義、法の支配といった普遍的価値観を共有するG7が、専制主義の中国やロシアへの対抗軸となることを鮮明にした。

日本や世界の自由と民主主義、平和、繁栄を守ることにつながる。高く評価したい。

中国の威嚇を受け緊張が高まる台湾情勢に関し、初めて首脳声明で触れ、「台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促す」と明記した。新疆ウイグル自治区での「人権や基本的自由」、香港の「高度な自由」を尊重するよう求め、東・南シナ海で「現状を変え、緊張を高めるあらゆる一方的な試みに強く反対する」と強調した。

■「台湾」明記を歓迎する

トランプ米政権下で米欧の亀裂が目立ったG7は、再び活発に動き出した。最重要課題が中国問題となり、その克服に向けてアジア唯一のメンバーである日本は主要な役割を果たすべきだ。

中露両国の挑戦で既存の国際秩序が揺るがされている。米英両国がサミットに先がけ、領土不拡大などをうたった1941年の大西洋憲章をモデルに「新大西洋憲章」をまとめたのはそうした危機感の表れだろう。

「台湾」の言及など首脳声明に盛り込まれた中国への牽制(けんせい)は、4月の菅義偉首相とバイデン米大統領との会談など、日米両国が主導し、さまざまな会合で積み上げてきた流れの集大成といえる。日本が提唱し、米国が賛同した「自由で開かれたインド太平洋」の重要性も確認できた。

注目したいのは、中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への対抗策として、G7が途上国でのインフラ整備を支援する枠組みの創設で合意したことだ。

習近平中国国家主席が2013年に提唱した「一帯一路」は、そもそも中国と欧州を結ぶ経済圏構想だった。G7の欧州諸国が対抗策に同意した意味合いは大きく、具体化を急いでもらいたい。

新型コロナウイルス対策では中国の「ワクチン外交」を意識し、ワクチンの10億回分供与相当の途上国支援を決めた。ウイルスの起源についての調査を中国などで改めて実施することも世界保健機関(WHO)に求めた。どちらも極めて重要である。

自らに都合の悪い事実を隠蔽(いんぺい)するのは、中国政府の常套(じょうとう)手段である。ウイグル人の強制収容所の実態も明かされない。世界の人々の生命と健康、人権を守るため、これらの徹底解明が必要だ。

G7は価値観を同じくする友好国とも協力すべきである。英国がサミットに「ゲスト国」として招いたオーストラリア、韓国、南アフリカ、インドを含む「D11」や、日米豪印の「クアッド」など重層的な枠組みを活用したい。

南シナ海情勢をめぐっては、東南アジア諸国連合(ASEAN)との協力も欠かせない。ここでは日本の役割が重要になる。

途上国支援は、中国に比べ日米欧が質ではるかに勝っている。だが、環境面などで注文の多い日米欧に対し、中国は条件が緩く対応が早い。そうした支援に飛びつくのが多くの途上国の現実だ。

■五輪成功への責任負う

中国の在英大使館は「少数の国が操るべきではない」とし、G7サミットに反発した。だが「債務のわな」で、途上国をがんじがらめにして影響下に置こうとしているのは中国である。

菅首相はサミットで、中国による東・南シナ海での一方的行動や人権状況、不公正な経済活動などがG7の価値観と相いれないとして懸念を表明した。記者団には、普遍的価値を共有するG7として「これからの国際秩序をリードしていきたい」と語った。

菅首相の今後の行動が問われている。中国を抑止するメッセージの発信を続けてほしい。

最前線で中国の脅威に直面する日本の首相として、防衛費の思い切った増額などの決断が求められる。中国政府によるウイグル人弾圧では、G7で日本だけが制裁に加わっていない。言行不一致といわれても仕方がなく、人権問題でも先頭に立つべきだ。

東京五輪・パラリンピック開催をめぐっては、G7の全首脳から支持表明があった。菅首相は新型コロナ下での大会を成功させる責任を負ったことになる。全力で取り組んでもらいたい。