五輪大会ボランティア、悩む学生 辞退相次ぐ

辞退者が相次いでいる東京五輪・パラリンピックの「大会ボランティア」をめぐり、主力として期待される大学生の中にも、新型コロナウイルスの感染不安などから断念する声が聞かれる。辞退者増加の影響で参加者の負担が重くなり、学業との両立に頭を悩ませるケースもみられる。政府が検討するワクチン接種など不安解消に向けた配慮が求められる。

東京都港区の「TOKYO-UACビル」では今月7日、ユニホームなどの備品を受け取る大会ボランティアの姿があった。

茨城県の大学2年の女子学生(20)は、都内で行われるビーチバレーの担当に決まっている。コロナ禍の中での開催に感染の不安を拭えず、「できればワクチンを打ってから参加したい」と語る一方、「世界中が注目する大会。できることを精いっぱいやりたい」と目を輝かせた。

組織委員会によると、約8万人の大会ボランティアのうち、1日時点で約1万人が辞退したことが判明。ただ、海外客の受け入れ中止で簡素化や規模縮小などが見込まれるほか、五輪とパラ両大会で活動できる人もいるため、「運営に特段問題はない」(武藤敏郎事務総長)としている。

神田外語大英米語学科1年の岡瀬怜桜奈(れおな)さん(18)は家族に高齢者もいるため、感染不安から辞退を決めた。「英語やコミュニケーション力を上げたいと思って志望した。参加したい気持ちは強かったけど、コロナの再拡大の恐怖が勝ってしまった」と話す。

同大では大会ボランティアと都市ボランティアを合わせて約300人の学生が参加を予定するが、当初より半減した。感染不安のほか、大会延期で卒業したなどの理由もあるという。

「親から反対されたが、人生で一度経験できるかどうかの貴重な機会を逃したくなかった」と思い悩んだ末に参加を決めたのは、同大2年の石井さくらさん(19)。国際コミュニケーションを専攻しており、語学力を生かして会場案内の業務に就く。

開催に反対する意見やボランティア辞退者の気持ちにも理解を示すが、辞退者増加のしわ寄せがあるといい、学業との両立が心配の種になっている。「人数が減った分、一人一人の負担が増えたようだ。活動日のシフトを見て驚いた」

大学生は大会ボランティアの主力として期待され、組織委は全国の大学や短大とボランティアの協力などについて連携協定を締結。協力校は学生がボランティアに参加しやすくするための対応を取っている。

国士舘大は、五輪開幕前日の7月22日までに授業や定期試験を終了し、大会終盤の8月5日までは授業を行わず、課題などで対応。一部の学部を除き、災害時のボランティアと同じく、五輪ボランティアも実践科目として単位を取得できるようにした。