G7参加の韓国、北・中国対応で限界も

【ソウル=桜井紀雄】13日閉幕した先進7カ国首脳会議(G7サミット)に招待国として参加した韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は13日、サミットや独仏豪首脳らとの会談で、新型コロナウイルスのワクチン開発や気候変動対策での協力推進で成果があったとSNSでアピールした。「われわれは国の品格と国力に見合う役割を約束し、とりわけ先進国と開発途上国の架け橋の役割を強調した」と記した。

文氏は最も注力する北朝鮮との対話再開に向けても、英独仏豪や欧州連合(EU)首脳との会談で支持を取り付けた。ただ、G7加盟国だけが参加した首脳声明では、北朝鮮に大量破壊兵器や弾道ミサイル計画の検証可能かつ不可逆的な放棄を要求。制裁の履行が強調されるなど、対北融和を優先する文政権との温度差が浮き彫りになった。

韓国など招待国も署名した「開かれた社会の声明」では、中国を念頭に人権や民主主義に対する脅威への対応が盛り込まれた。韓国が対中関係を重視する中、政府高官は記者団に、声明は「特定の国を狙ったものではない」と釈明した。

文氏は「われわれは自ら運命を決める国になった」とも自賛したが、対北・対中問題では外交力の限界も露呈した形だ。

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